歴史残る古い街ボルチモアと海軍士官学校のあるアナポリス（メリーランド州）～ ニューヨークから1泊２日のドライブ旅行

12/29

朝9時ごろ自宅を出発。日曜日ということもあって高速道路は渋滞もなくかなり順調。

ただこの高速道路 (I-95) は大幹線道路なので有料エリアが多い。橋や州が変わるごとに徴収されます。我が家では関所と呼んでます。

＜追記＞
E-Zパス（日本のETC）の請求書を確認したら、往復でトータル＄78ほどかかってました。

最初の目的地「マックヘンリー要塞」までうちから約200マイル(320km)ほど。途中トイレ休憩しても４時間ほどで到着しました。

ちょっとわかりにくいですが、位置確認のためGoogleマップをお借りしています。
A・・ボルチモア
B・・アナポリス

「Fort McHenry National Monument」

ここは「National Park Service」の管轄下です。大人１人＄15。年間パス保持者は無料。私たちはここで新しく年間パスを購入しました。($80)

駐車場は無料。ビジターセンター内でトイレを済ませてから、入場料を払います。内部にはパネル展示や短い映画上映があります。ボルチモアの戦いや星条旗の歌詞誕生のあらましをお勉強できます。ギフトコーナーはありますがカフェテリアなどはなし。

ちゃんと調べてこなかったので、お昼を食べ損ねました。

アメリカ人は学校でアメリカ史でこの辺りは必ず勉強します。近くの学校なら遠足で絶対訪れそう。

ここでフランシス・スコット・キーが「マックヘンリー要塞の防衛」という詩をかきあげ、その一部にメロディを付けて「アメリカ合衆国国歌」が生まれたそうです。

ビジターセンターを出ると要塞が見えてきます。少し歩きます。

要塞の前はパタプスコ川。広いですが川です。このままチェサピーク湾につながっています。

そして向こうには、2024年3月故障したタンカーが激突し壊れた「フランシス・スコット・キー橋」が見えました。TVニュースで話題になった惨事です。国歌の作詞者の名前が付けられた橋でしたが、、。こんなところから見えるとは思っても見ませんでした。

要塞は真上から見ると星形をしています。

要塞に掲げられている星条旗。その日の天気によって違うようです。今日のは右から2番目かなあ？

要塞の中に入ります。

当時の要塞が再現されています。ここは弾薬庫（だったかな？）。

ぐるりと建物が立っています。当時の服装で係の人が説明してくれます。建物内は当時の生活がわかるように復元されています。

大砲のレプリカも置かれています。

帰り際、風が強くなったからか小さな星条旗に交換していました。みんなボランティアで手伝っています。アメリカ人にとっては、かなり名誉なお手伝いのようです。

「マックヘンリー要塞」は外国人にはちょっとディープすぎてついていけない感じですが、一度訪れるには面白くていいかも知れません。

次にやってきたのは「ウォルターズ美術館」。

アメリカ大富豪親子（William and Henry Walters) による2万点をこえる膨大な個人コレクションの美術館です。(1934年開館）

アメリカには大富豪の個人コレクション美術館が数多く存在します。ニューヨークのフリック・コレクション、フィラデルディアのバーンズ・コレクション、ワシントンD.C.のフィリップス・コレクション、ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館、ロサンゼルスのゲッティセンターなどなど、、、。

そしてこの美術館、無料なんです。すごくないですか？

ただ場所がですね。ボルチモアの古いエリアにあって、きっと昔は一等地の素晴らしいところだったと思うんですが、、。今はホームレスとゴミで溢れてます。

訪れた日が日曜日で路上パーキングは無料だったんですが、車内のものはトランクに移して見えないようにし、高級車の後ろに停めうちの車は目立たないようにしておきました。笑

暗くなってからは絶対近寄らない方がいいエリアです。

１階のカフェテリアで簡単な遅いランチをとり、早速見学開始。最上階の４階からスタート。

４階は「アジア」のコレクション。

「ガネーシャ」（ヒンドゥー教の神様）（11世紀前半）

「菩薩像」（隋時代）

ラクダ（中国７－８世紀）

インド、タイ、中国、日本とアジア全般のコレクションが展示されています。大変多岐に渡っています。面白いことにこの親子は一度もアジアに行ったことがないそうです。

３階は「ヨーロッパ中世美術」

ガラリと雰囲気が変わります。

まるでヨーロッパのどこかの美術館にいるかのよう。

フィリッポ・リッピ「荘厳の聖母」（1446ー1447）

ラファエロ「燭台の聖母」（1513）

エル・グレコ「聖フランシスコ」（1585－1590）

グイド・レーニ「マグダレナ」（1635）

建物の外にワシントン・モニュメントが見えます。あとで行ってみます。ロケーション良し。

吹き抜けの回廊。

とても個人のコレクションとは思えないくらいの所蔵数。どれだけ富豪なんでしょうか？鉄道事業で財をなしたということですが、、。すごいです。

建物内の装飾も素晴らしい。

こちらは「鎧」の展示。日本のものもあります。

こちらは一階のコレクションルーム。動物の剥製や細かいものが展示されています。

まだまだあります。

素晴らしい美術館でした。そして無料開放というところが更に好感度UP。また来たいと思いました。駐車場無料の日曜日がおすすめです。（月・火休）

道路を挟んですぐのところに「ワシントン・モニュメント」。

この記念碑、なんとワシントンD.C.にあるモニュメント（1884年）よりも古いんです。（1829年完成）

同じ広場に面して、古そうなかっこいい教会がありました。

知名度ではもちろんワシントンD.C.にある「ワシントン・モニュメント」にはかないませんが、ボルチモアの人たちはモニュメントの歴史に誇りに思っているようです。

塔の上まで登れますが、今回は閉館間際でやめました。（＄６）

車のガラスが破られてないか心配でしたが、無事で何よりでした。暗くなる前にホテルに向かいます。

本日のお宿は「マリオットウォーターフロント」。

すっかり日が暮れました。、ウォーターフロントの夜景。

レストランの予約が8時15分と遅いので、ホテルのラウンジへ行ってみました。

5;30 pm ~ 7:30pmまで「Light Reception」。

この「Light Reception」の意味がやっと理解できました。なんとこのラウンジ、アルコールが有料でした。確かにアメリカ人に「のみほ」は危険だわ。

だんだんホテルラウンジのレベルも、航空会社同様下げていっている気がします。将来はこういうサービスはさらに厳しくなりそう。

少し予約時間より早いですが、ボルチモアの一番古いエリアだという「フェルズホイント」を散策しながらレストランに行ってみます。

今日一日雨予報でした。昼間はなんとか持ちましたが、日が暮れてとうとう降り出しました。でもボルチモアはニューヨークより暖かい。２、3度は違うと感じました。

石畳の通りに可愛いショップ、レストランが並んでます。

口コミサイトで良さげなお店を予約しました。

「Thames Street Oyster House」

遅い時間しか予約が取れなかったのですが、早めに着いてもすんなり席に通してもらえました。

なかなかローカル感があっていい雰囲気。

お店のおすすめカクテルと白ワインで乾杯。

メリーランド州も牡蠣の産地で有名なので、ローカルの牡蠣４種をオーダー。心なしかよそよりリーズナブル。ってもうインフレで金銭感覚がかなり狂っている。

昔は一個＄１くらいの牡蠣があったのになあ。（遠い目）

レモンから時計と反対周りに２個ずつ並んでます。お味はグッド。2番目の天然物が一番美味しかったような気がします。

カニのスープとフィッシュ＆チップス。

こちらはまあまあ。

メリーランドはブルークラブが大変有名なんですが、夏がシーズンなのでこの時期はなし。次回は夏訪問ですな。

帰る頃には雨も上がり、ホテルまでプラプラ帰りました。お部屋で２次会をして就寝。

12/30

おはようございます。

昨夜は暗くてわかりづらかったのですが、一応アップグレードしてもらい角部屋をもらえました。

部屋からはボルチモアの観光スポット「インナーハーバー」が見下ろせました。

なかなか良い眺めです。

昨夜に引き続きラウンジで朝食をいただきます。品揃えはまあまあ。

いつも食べるものは決まっているので、毎回似たり寄ったり。スモークサーモンがあったのはグッド。

最上階のラウンジは景色は良かったです。

チェックアウトする前にインナーハーバーを散策します。まず向こうに見える「フェデラル・ヒル・パーク」へ行ってみます。

ホテルからは小さな橋を渡って。

古い建物を眺めて。

あの波止場へ行きます。

市営「ウォータータクシー」に乗って行きます。

市営「ウォータータクシー」は何ヶ所からか出ているようですが、この時期はここだけ。ホテルから徒歩5分ほどと近い。

月～金の毎15分（運行時間は要チェック）。このウォータータクシー、なんと無料！

乗客は私たちだけ。5分ほどの乗船時間。のんびりインナーハーバーを横断します。かなりのショートカットになるので、「フェデラル・ヒル・パーク」に行くには大変便利です。

丘の上にある「フェデラル・ヒル・パーク」に登ってきました。

ここも要塞だったようです。今は市民の憩いの公園です。

高台にあるので眺めはいいです。向こうにスタジアムも見えました。

帰りはインナーハーバーをぐるっと歩いてホテルに戻りました。

今日は反旗。前日にカーター元大統領が亡くなられたからだと思います。左から2番目の旗はメリーランド州旗。残りのは不明。笑

インナーハーバーにはボルチモア国立水族館、海洋博物館、サイエンスセンターなど観光スポットがたくさんあります。

今回は全てスルー。

ホテルをチェックアウトして、車でボルチモア最後の訪問地に寄ります。

「ベーブ・ルースの生家」です。

「野球の神様」ベーブ・ルースがボルチモアの出身とは知りませんでした。しかもニューヨークヤンキースでプレイしてたなんて最近知りました。野球のことは疎いですが、彼の名前は知っています。

生家は博物館になっているようですが、そこまでファンではないので外観だけ。

この路地で幼少時代は野球してたのかなと想像してました。ここで大スターが誕生したんですね～。

すぐ近くに野球場「Oriole Park at Camden Yards」(オリオール・パーク）があるのはきっと偶然ではないですよね。

ではアナポリスに向かいます。

ボルチモアから南へ車で約40分。

「アメリカ合衆国海軍士官学校」

偶然にもカーター元大統領はこの学校の出身です。

この時期、冬休みで学生はいません。おかげで敷地内の駐車場に車を停められました。

キャンパスは無料一般公開されています。しかし身分証明書の提示とセキュリティチェックがあります。

ビジターセンターへ行きます。

「アナポリス海軍士官学校」は1845年設立。みんな「アナポリス」というとこの学校のことを言っています。

もう一つある「ウエストポイント陸軍士官学校」（ニューヨーク州ウエストポイント）は「ウエストポイント」と呼んでいます。

この両校、かなりの難関校です。成績、スポーツもしくは音楽が優秀なのはもちろんですが、アメリカ国籍であること、推薦状（住んでいる州の上院議員のものが必要と言われてます。）、卒業後は最低5年国家奉仕などあれこれ条件が厳しいです。でも学費無料なんです。無料どころか毎月＄1200もらえます。アメリカの大学授業料が高いことは有名ですが、ここに入れば無料です。笑

キャンパスでは本人よりも親の方が熱心に学校訪問している姿があちらこちらで見かけました。気持ちはよーくわかります。笑

もちろん４年制大学と同じく学士号がもらえます。

キャンパスは自由に見学できますが、私たちは１時間半のウォーキングツアーに参加することにしました。（＄15）予約もできますが、私たちは当日申し込めました。

ビジターセンターの受付の女性が、昔、岩国基地と横田基地に7年住んでたと話してくれました。やはり軍関係者が多いようです。

午後1時。ツアースタート。

屋内フィールド。400メートルトラックがあります。

『GO NAVY 』

次は「レジェーン・ホール」

オリンピックサイズのプールとスポーツの殿堂の展示があります。

学生は卒業までに制服を着たまま、800mを30分以内で泳がないと卒業できないそうです。私には絶対無理。

「NAVY」と「ARMY」はすごいライバル校のようで、アメリカンフットボールの試合で「ARMY」に勝った試合だけ金色に塗られたボールが飾られています。

ライバル意識が半端ない！

「ドールグレンホール」

もとは武器倉庫だったそうですが、今はリクレーションホール。ライト兄弟のB１フライヤーのレプリカが見えます。

真珠湾攻撃で日本軍が使ったミサイル。

「バンクロフトホール」

学生4,400人が暮らす寮。世界で2番目に大きな寮だそうです。約８キロの廊下と約13万平方メートルの床面積があるそうです。内部には入れません。

昼食時は３０分間で、全学生が一斉に食事するそうです。想像するだけでギョッとします。

「メインチャペル」

カトリックとプロテスタントの行事が行われる礼拝堂。

立派な礼拝堂です。卒業生はここで結婚式ができるそうです。

パイプオルガンも立派です。

チャペルの後方には帆船が見えます。海軍らしい。

このご時世、2005年にユダヤ教のチャペルもできたそうです。

このチャペルの地下に独立戦争の英雄イギリス人「ジョン・ポール・ジョーンズ」の棺が置かれてました。

教授のお住まいのポーチにもこんな立て札。熱いわ～！

学校のマスコットのヤギ。

あっという間の90分のウォーキングツアーでした。学生の伝統とかルールをあれこれ教えてくれるのは楽しかったです。わかりやすい英語だったので、なんとかついていけました。おすすめです。

学校のすぐ近くにアナポリスの街があります。

両脇にお店とレストラン。ここでランチをしたかったのですが、時間がなくて断念。

歩いているのはほぼアメリカ人で、外国からの観光客はほぼ見かけませんでした。賑わっていながらも、のんびりした雰囲気がいいなと思いました。

アナポリスをあとにして帰路につきました。夕食にニュージャージー州にある「ミツワ」のフードコートに寄って、山頭火のラーメンを食べて帰りました。