
2023/10/23 - 2023/10/23
3274位(同エリア5888件中)
naoさん
奈良公園の南に位置し、当初春日神社神官の社家町として発足した高畑町は、江戸時代になって隣接する奈良町が発展したことに伴い、柳生街道沿いに商人が進出し、次第に賑わいのある商家町が形成されると、多くの神社関係者や禰宜などが住居を構えるようになりました。
広大な規模を有していた春日神社神官の屋敷地は、現在、国や企業の保養施設などへと姿を変えましたが、かつての屋敷地を取り囲んでいた土塀などは往時のまま残され、社家町の雰囲気が色濃く残る町並みが続いています。
一方、旧柳生街道沿いに展開する商家町には、切妻屋根平入りに虫籠窓を備えた厨子2階建ての町家や、本瓦葺屋根に煙出しの越屋根を備えた町家など、今も伝統的な様式の町家が連なる古い町並が残っています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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車を停めたコインパーキング近くの、華厳宗隔夜寺の辺りから高畑町の町歩きを始めます。
先ずは旧柳生街道沿いの町並みから。 -
奈良市の汚水桝の蓋。
市制施行から5年後の、明治36年(1903年)に制定された奈良市の市章が蓋の中央に描かれています。 -
2階の袖壁に漆喰の鏝絵が描かれた町家です。
この先で旧柳生街道沿いの町並みを左に曲がって、ちょっと寄り道します。 -
旧柳生街道を曲がって少し歩くと、風情ある町並みが迎えてくれます。
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土壁を切り込んで開けられた木戸。
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そんな町並みをしばらく歩くと、本瓦葺きの屋根が架かった大きな建物が見えてきました。
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こちらは奈良市出身の写真家、入江泰吉さんの「入江泰吉記念奈良市写真美術館」です。
この美術館は、入江泰吉さんが自身の全作品を奈良市に寄贈したのを機に、黒川紀章氏の設計により建設されました。 -
入江泰吉さんは、約半世紀にわたって奈良大和路の風物を撮り続けた人で、彼の写真作品は『美しき奈良大和路』を世に知らしめる一翼を担ったといっても過言ではないと、高く評価されています。
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エントランスホールへつづく車椅子用スロープ。
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建物は地下1階と1階の2層構造となっていて、メインの展示室は地下1階に設けられています。
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サンクンガーデンに面して設けられた地下1階のギャラリー。
置かれているハイバックの椅子がアクセントになっています。 -
サンクンガーデンの水盤。
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エントランスホール前の広場は展示室の屋根にあたります。
では、旧柳生街道沿いの町並みへ戻ります。 -
旧柳生街道沿いの町並みに戻って来ました。
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「やきもの」と彫られた看板が掛かっているので、陶芸教室のようですね。
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先に見たものとは別の奈良市の汚水桝の蓋。
「奈良公園の鹿」と「八重桜」がモチーフになっています。 -
控え目に開けられた虫籠窓のある町家です。
こちらの家人のつつましさがにじみ出ています。 -
石段の上に設けられた門。
安全のために手すりが設けられています。 -
シャッターの中には、伝統的な町家が隠れています。
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煙出しの越屋根がある町家です。
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これぞ町家といった趣の建物ですが、門柱に「日本キリスト教団奈良高畑教会 第二礼拝堂・牧師館」の看板が掛けられています。
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駒寄をめぐらせた町家です。
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これは町家にめぐらされた瓦土塀です。
このように、土と瓦を何層にも積み重ねる手法は、デザイン性はもとより耐久性を得るためだともいわれています。
いずれにしても、廃材の瓦を再利用しているので、昔の人々もエコの精神に通じていたんですね。 -
こちらは丸窓のある洋風住宅です。
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同じように丸窓のある洋風住宅が、道路を挟んで向かい合っています。
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荒々しい表情の土塀をめぐらせた町家です。
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この勝手門の作者は、中々のセンスの持ち主だと見受けられます。
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土塀と石積塀を使い分けておられる町家です。
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主屋には黒漆喰塗籠めの虫籠窓が開けられています。
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建物の前に植え込みのある町家です。
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おチビちゃんの町家と、のっぽさんの町家の背比べ!
とはいえ、伝統的な様式を取り入れているところは同じです。 -
割竹を編んだ植え込みのしつらえが個性的な町家です。
植え込みの表現手法として、ビビッと感じさせるものがあります。 -
名栗加工の駒寄をめぐらせた町家です。
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建物の柱には、かつて使われていたであろう馬つなぎ金具が残されています。
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押縁下見板張の腰壁が外観を引き締めている町家です。
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道路から一段高い敷地に建てられた町家です。
このような間口の狭い町家は、「鰻の寝床」と呼ばれています。 -
竹で組んだ駒寄をしつらえた町家です。
棕櫚縄の結び目が外観に変化を与えています。 -
この町家、どこで出入するんでしょうか?
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こちらは伝統的な町家を使ったカフェです。
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こちらは、県道80号線の奈良交通破石町バス停の西側にある「頭塔(ずとう)」です。
頭塔は、二月堂修二会(お水取り)を創始した東大寺の僧、実忠が国家安泰を祈って築いたものだといわれています。
形状は一辺32mの正方形の底面に、高さ10mの3層構造のピラミット形で、あたかも立体の曼荼羅のように、浮彫や線彫で刻まれた奈良時代後期の13体の石仏が東西南北の各面に配置されています。 -
頭塔から県道80号線を少し北へ歩いて、かつて春日神社神官の社家町だった頃の風情が色濃く残る町並みにやって来ました。
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こちらの、アートギャラリーとして使われている洋風住宅には、土塀を切り込んで今風の門が設けられています。
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ちなみに、この土塀も春日神社神官の屋敷地だった頃のものなんだそうです。
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かつての社家町の姿を彷彿とさせる町並みです。
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こちらは、『暗夜行路』や『城の崎にて』などの小説で知られる、志賀直哉の旧邸です。
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現在は奈良学園のセミナーハウスとして、各種公開講座の開催などに活用されています。
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この建物は、昭和初期に志賀直哉自身が設計したもので、数寄屋風を基本に洋風のエッセンスも取り入れられているそうです。
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志賀直哉旧邸の主屋。
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西日に照らされた町並みの光景です。
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神社の狛犬のような石像がカフェの入口に置かれています。
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西日を受けた樹々。
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この界隈では、そろそろ紅葉シーズンを迎えようとしています。
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では、高畑町の町歩きを終えます。
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