
2019/04/27 - 2019/04/27
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Pメテオラさん
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華の都パリは、世界中の観光客を惹きつけてやまない。多くの人はパリが大好き。私もうっとり。どこがチャーミングポイントなのだろう。ローマやロンドンと比べて、どこが違うのだろう。
パリは初めてという旅人といっしょに名所旧跡を訪ね、街歩きを楽しみながら、魅惑のパリ風景を切り取った。
多分、キーワードは、直線的、白っぽさ、並木の大通り、オスマン様式、赤いアクセント、の5つくらい。電線が皆無なのは当然として、あとは、雰囲気や食べ物、ファッション、インテリア、フランス語の音感といった主観的な要素だろう。
人間にたとえれば、均整の取れた顔立ちで、着こなしセンス抜群だが、ほんのちょっぴりだらしなさが残る大人ムードのアラフォー。胸元にさした深紅のバラに思わず目が釘付け。性格や好みは分からないけれど、見た目にうっとり。一歩間違えると、身も心もささげてしまいそうな妖しいムード。
ちなみに、我が家の男の子は、「悪くはないけど、道にゴミが多くてゲッだな」と、のたまわっていた。「なかなか、いい勘してるぞ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
1 パリと言ったら
「パリと言ったら、どんな風景をイメージしますか?」
モナリザとか、パリジェンヌ、フレンチ・カンカンのような主観的なイメージは別として、日本で、道行く人々に尋ねたら、おそらく上位5つは、こんな感じだろう。
1位 エッフェル塔:Tour Eiffel -
2位 凱旋門:Arc de Triomphe
-
3位 シャンゼリゼ:Avenue des Champs Elyse*es
(* e の上にアクセント記号あり)
私も、初めて綴りを見たとき、「わあっ、『シャンゼリゼ』って、こう書くんだ」と驚いた口。 -
4位 ノートルダム大聖堂:Cathe*dral Notre-Dam de Paris
(* e の上にアクセント記号あり)
写真は、2019年4月に起きた屋根と尖塔焼失前のすがた。 -
5位 サクレクール:Basilique du Sacre* Coeur
(* e の上にアクセント記号あり。oとeがくっついたつづり)
多少の個人差はあるが、エッフェル塔がトップ5からもれることもないだろうし、奇跡のメダイユ教会がトップ5に顔を出すこともないだろう。
実際にパリに来て、観光バスの車窓から超有名ポイントを見ただけの人でも、それなりに満足する。「もう5回目なのでノートルダムはパス」というリピーターや、「今回はブロカントめぐりに専念」と、目的を秘めてパリに来る人も、有名観光ポイントは、何らかの形で意識している。 -
2 パリは直線的
パリ・デビューのマダムの話を聞いたり、目線の先をたどったところに、パリの見た目の妖しい魅力があると思った。私も知らず知らずのうちに感じていたことを、分かりやすく、いっぺんに指摘してくれたようで、大いに刺激となった。
まず、パリの街並みは直線的だ。エッフェル塔の上から眺めると実感できるように、並木の植えられた大通りが放射状に延びて交差する。また、路地裏に至るまで、たいていの道は真っすぐだ。
「パリの街って、とてもシャープで、すっきりした印象」 -
大人気のルーブル美術館正面入口の建物のスカイラインや、ガラスのピラミッドも、直線で構成されている。カーブした道の先に突如現れた彫刻いっぱいの宮殿、という感じではない。
かなりの方が、「パリの『古い』街並み」、とか「古き良きヨーロッパの街並み」という趣旨の、ほめ言葉を書いているが、私たちの愛でるパリの街並みは「新市街」。だいたい1850年から1900年ごろにかけて、今のイメージになった。
人々の目線を意識し、美しさを追求しながら巧みに設計された大都会こそ、私たちを大いに惹きつけている。パリにはあるがロンドンやローマにはないポイントだ。 -
3 パリは白っぽい
写真は、サクレクール寺院の前から眺めたパリ市街。観光客にはおなじみの風景のひとつである。
パリ全体の色は、白っぽい灰色またはベージュ色、あるいは、いぶし銀のような灰色だ。
これも、意外とヨーロッパの伝統的な大都会にはない色である。ロンドン、ローマ、マドリード、ベネチアなどなど、みんな、レンガ色、カーキ色、ピンクがかった肌色などがイメージカラーだ。
この色調、どこにでもありそうに思い込んでいるが、伝統的な大都会ではパリ以外にほとんどないはず。
「色白は七難隠す」 -
4 パリの大通りと並木
第3のポイントは、並木のある大通り。それも、直線的な大通りだ。
ガイドブックや、雑誌などのパリ特集などで紹介されるパリの街角の大半は、「アブニュー:Avenue 」の呼び名で始まる、並木のある大通り。パリを代表する大通り「シャンゼリゼ」からして、広い並木道である。
洒落た雰囲気で人気のサンジェルマンデプレ付近も、写真のように並木のある大通りが中心。有名カフェ「ドゥー・マゴ」や、「フロール」のテラス席の”木洩れ日”にあたりながら飲んだエスプレッソに、パリの旅情を感じた方は少なくないはずだ。 -
歴史や街並みを売り物にするヨーロッパの観光地で、観光名所にも当たり前のように、並木のある大通りがあるのはパリなど極少数。たいていは、徒歩で回る旧市街の周りの新市街の大通りだけが並木道。
こちらは、学生さんの多いサンミシェルからシテに通じる大通り。
パリの街路樹は、東京と違って、こまめに剪定しないので自然に伸び放題。台風がないので、木々が風にあおられることが滅多にない。何かの事情が出ると、50年か100年に一度、根こそぎ抜いて植え替える。
都会で、大きな木の葉っぱが、そよかぜに揺れている様子を見ると、気持ちがなごむ。 -
5 直角じゃない交差点
パリの道路は、基本的に放射状に走っている。そのため、交差点の角の多くが直角ではない。5差路とか6差路みたいな場所もたくさんある。そして、こういう交差点が、あちこちに連なっている。いっぺんに目に入る道路の数が多いので、街が広く感じるのだ。
写真は、モンパルナス地区の、ヴァヴァンの交差点。 -
こちらは、5区南部のゴブラン通り:Goblin 付近の交差点。
この構図も、無意識のうちにパリっぽい街角風景だと脳裏に刻み込まれていると思う。オスマン様式のアパルトマンに挟まれた大通りが、V字型かつ直線的に遠ざかっていくさまは、私も含めて日本人感覚では、とても新鮮な光景に映る。 -
6 オスマン様式はパリ独特
パリでよく見かける大通り沿いの19世紀風高層マンションは、オスマン様式:Haussmannienというスタイル。写真は、3区北部のサンドニ門付近の大通りとオスマン様式のマンション街。
「オスマン」は人名で、パリ市を含むセーヌ県知事。1853年から1870年まで在職した。今のパリ風景のもととなる都市計画を作った。
オスマン知事は、パリ市内に放射状の大通りを何本も造る一方、大通り沿いの土地もいったん買収して、見てくれも住み心地も良い統一仕様のアパルトマンをいっぱい建設した。当時の皇帝ナポレオン3世の意を受けて、パリを快適で美しく飾られた都会に改造しようとした。19世紀末までに、その目標はほぼ実現したから、すごい。 -
オスマン様式のアパルトマンは、パリの都心部にはいっぱいあって、しかも現役ばりばり。景観維持法令があるので、外観はそのままにしながら改造を進め、現代的な住まいやホテル、商店などとして使っている。
オペラの裏にちょっと入ったら、写真のように、オスマン様式のアパルトマンの1階に「Book off」があった。2階から上も、ススはらいをしたようで白っぽいベージュ色の壁がきれい。 -
7 オスマン様式以上あるいは未満
オスマン様式の建物は、品の良い団地みたいなもの。もっとリッチなマンションは、さらに美しく優雅な造り。私たち観光客もよく通るパレ・ロワイヤル:Palais Royal 公園を囲む建物などが、”ピン”の部類の高級マンションのひとつ。 -
その一方、”キリ”ほど低レベルではないが、何の変哲もないフランス風のマンションが並ぶ通りだっていっぱいある。パリの有名な大通りをはずれると、デザインは似通っているものの、高さもばらばらで壁の装飾もないマンション街が目につく。現代的な鉄筋コンクリート造に建替えられている地区もある。
あまりパリらしくないので、みんな写真には取らないでスルーしがちだ。けれども、直線的で白っぽいので、やっぱりパリ。 -
8 広場というアクセント
パリも、他のヨーロッパの都市と同じように、街中に点在する大小の広場が、景観の魅力的なアクセントになっているようだ。美しく仕上げられた建物の側面を見せびらかす効果を発揮している。
ちょっとだけ広くなった空と、デザインと色調が揃ったマンションが幾何学的に建ち並ぶさまは、シャープでお洒落な印象。 -
放射状の道が交差する場所にある三角形の広場を囲むマンションも、よくあるパターン。エレガントな雰囲気をただよわせて静かに建っている。
「こんな雰囲気の場所に住みたーい」という旅人のためのレジデンス・ホテルが増えてきているよう。是非、思い出深いパリ体験になりますように。 -
普通のパリ観光でめぐる巨大な広場も、市内風景として記憶に残りやすい場所だ。
知名度抜群の、凱旋門を囲む通称エトワール:Etoile(星という意味)広場、に始まり、コンコルド広場、オペラ広場、サンミシェル広場などが有名。
写真は、バスチーユ広場。フランス革命発祥の地であるバスチーユ監獄跡を整備した広場。1830年の7月革命をしのぶブロンズの塔が、すくっと立っている。ちょっと奥に入ったあたりは、人気急上昇のカフェやナイトクラブがいっぱいある熱気ムンムンの場所。観光客は、あんまり行かない。 -
9 人混みと赤
パリは、「大都会が売り」の観光地。だから、人がいっぱいで、ざわめいていたり、おしゃべりが間断なく聞こえてくるのがデフォルト。写真は、有名デパート、オ・プランタン:Au Printemps、付近の夕方の人混み。
「フランス語の、鼻にかかった発音でのおしゃべりや、さっそうと胸を張って歩いているパリジェンヌの姿に、うっとり」
「もう、それは絶滅危惧種かも。『ニーハオ』とかの大声や、刈り上げ君の男の子、あたり構わず自撮りするカップルが、パリのデフォーだよ」
「ちょっと前までは、現金を鷲づかみに出したり、ブランド店を渡り歩く2人か3人連れの若い日本人がパリ中にいたのに・・・・」
時代は変わった。
そして、私のチェックポイントは、「赤」の使い方。白っぽい街並みの中に、アクセントとして目に入る赤に色が、街並みをうんと引き立てていると思う。
「マダムの深紅の口紅に、身も心も奪われそう」
「彼の胸元の赤いバラから目が離せないわ」 -
カフェのテラスの覆いの多くが赤。サンジェルマンデプレ広場の、カフェ・ドゥーマゴの天幕は緑だけれど、ああいうのは例外。
街並みが少し引き締まって見えないだろうか。 -
パリ中心部の大通りを歩いていると、ちょっとした場所に赤が使われている。ぎらぎらしない程度に、街を華やかにしている。
パリ風コンビニと言ってよい「タバ:Tabac」の楕円形の看板も赤。 -
第6区のオデオンの裏手の商店街も、休日の午後は人出がいっぱい。ソバージュという名前の派手な赤系の飾りつけのカフェが目を惹く。いわゆる、カルチェ・ラタンなので、かなりカジュアルなパリの雰囲気を味わえる。
歩道の隅にちらかるゴミも目に入る。
「毎朝、市のスタッフなんかが水で洗い流しているだけんどなあ」 -
よおく観察すると、ポンピドゥーセンターの入口へ上がる階段の裏も赤。こんなこと誰も注目しないが、かなりの確率で脳裏に焼き付いている色合いのはずだ。
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けれども、同じ赤ながら、ラーメン屋の赤いのれんは、あんまりパリ風アクセントではないようだ。アルファベットではない日本語が違和感のもとなのか、黒を背景に2種類の赤を使う色合いのセンスが違和感の原因なのか、私には良く分からない。どっちにしろ、もうちょっとパリっぽいセンスの色使いにしてほしい。
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10 妖艶なパリ
こんな街並みと、フランス文化の独特な雰囲気に、一方的に呑み込まれてしまう人が後を絶たない。1990年代には「パリ症候群」という言葉まで出た。きらびやかなパリの外見と、実際の厳しい生活の落差で精神不安定になる日本人が多いという説だ。
いまでも、個人旅行でパリに慣れ始めたころが要注意。パリは、「私はパリ通だ」、「他の日本人は、しょせん観光客」、「パリは、あたしだけのもの」という気持ちになりやすい妖艶な都会だと思う。洗練度が高く、独特の雰囲気がある。少し取り澄ました感じのフランス人の雰囲気が、余計に「パリは、私だけのアイドルよ・・・・」と、いう気持ちを煽っているのかも知れない。 -
パリに疑似恋愛をすると、他の日本人はすべて恋敵。どうしても、つっけんどんに当たるし、ホンネでは、その方たちの存在すら許せないのではないだろうか。
けれども、モナ・リザが、あなただけに微笑んでいる訳ではないのと同じように、パリは、私のこともあなたのことも特別に想っていない。
肩の力を抜いて、自由でエレガントな雰囲気の大都会パリ観光を楽しんだ。
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